お味噌づくりと時間の力

味噌づくりの様子 ブログ

毎年、味噌をつくります。毎日子どもたちと食べる給食で使うお味噌です。なないろの木こどもえんでは、金曜日が「季節のお手伝い」の日。お味噌づくりは金曜日に行います。「季節のお手伝い」を担当する保育士が、毎年毎年のお味噌づくりのすべてを仕切ってくれます。

大豆はお母さん方がお家で炊いてきてくださいます。朝早く、柔らかく炊かれた大豆が園に届きます。ありがとうございます。

子どもたちは登園して朝の準備を終えると、お味噌づくりのお手伝いです。スモックを着て、三角巾をつけて、マスクをつけます。「三角巾も自分でできるよ。」と、自分できれいに三角巾を頭に結ぶ年長さんもいます。まあ、とっても上手…。スモックを着て、三角巾をつけた女の子たちは、まるで美味しいお料理を毎日つくってくれるお母さんみたいです。

よく手を洗ってから、塩切りのお仕事。麹に塩をまぶします。

それから、温め直してアツアツにした大豆を潰します。子どもたちの小さな手に瓶を持って、瓶の底で潰します。ぎゅう~、ぎゅう~っと。なかなか力がいります。みんな必死になってきます。身体がぽかぽかしてきます。大豆のいい匂いもしてきます。

「今日の給食のお味噌汁は、このお味噌を使うの?」と聞く子どももいます。「お味噌は長い間眠ってからおいしいお味噌になるんだよ。」。来年とか、去年とか、子どもたちに時間の流れはどのくらいイメージできるのでしょうか。

そうそう、以前にもおんなじような会話がありました。そのとき年長さんだった男の子が言いました。
「このお味噌食べたいな〜」
「このお味噌が美味しくなる頃、〇〇くんは小学生だから、なないろの木の給食は食べられないねえ。」
「え〜、絶対食べたい。食べに来る。」
「いいよ、どうぞ、来年の今頃なら食べられると思うよ。」
「やった〜」
と、こんな会話のやり取りがあったあと、別の年長さんの女の子が言いました。
「その頃、〇〇くんはお味噌のことは忘れてるやろ!」

ふふふ、今頃、〇〇くんは、自分がつくったお味噌のことを思い出しているのでしょうか。

お味噌ができるのにはたっぷり時間がかかること、長い時間の流れを感じるお味噌づくりのひととき。自然の力、時間の力を感じます。なないろの木の子どもたちは、時計の読み方を学ぶよりも、お味噌をつくって、そして長い時間が美味しくしてくれたお味噌の味を味わって、大きな時間の流れを実感しています。

今年もお味噌づくりは無事に終わりました。ほっとすると同時に、卒園が近いことを感じてちょっと寂しくなるお味噌づくりの一日です。

コメント