卒園保護者の声

卒園式の日の季節のテーブル

2022年度卒園保護者

「どうしてお空の色って変わるの?天使さんが塗ってくれてるんかなぁ?天使さんって凄いなぁ。」刻々と変わっていく空を見ながら夕食を食べていたある日、娘がそう口にしました。

天使さんや小人さん、神さまがあたりまえにいる日常のなかで、溢れ出る想像力をめいっぱい働かせて、遊び込んでいる娘たちの姿を見るたびに、なんて平和なんだろうと胸があたたかくなりました。子育て講座「子ども時代の想像力」の中で、貴子先生は《幼児の日々の中で溢れ出る想像力を壊さずに大切にすることが、自由な未来につながっていく》と話されました。そう思っている先生方のそばで、幼児期にしかできない自由遊びを存分に味わえるって、かけがえのない経験だと思います。

なないろでの様子を知らせてくれる連絡帳は、こんなきめ細やかに見てくださっているの?という感激と共に、たしかな娘たちの成長が感じられて、いつも読むのが楽しみでした。季節の行事やお味噌作り、梅仕事、いろんな手仕事と共に「静けさ」や「待つ楽しみ」を味わう機会もあり、「こんな豊かな体験をさせてもらえるってありがたいね」と夫婦で何度も口にしました。

貴子先生のお話は、親(大人)としての在り方、子どもに言葉で伝えるのではなくまずは大人が行動で示すこと、何より親自身が自分と向き合うことの大切さに立ち返らせてくれる機会でした。娘たちの言動から、先生方の丁寧な在り方が感じ取られ、何度も背筋が伸びる思いがしました。

人生の土台となる幼児期をなないろで過ごせたことは、娘たちへかけがえのない贈り物ができたと感じています。なないろの運営に関われる(娘たちが育つ場を他人任せではなく、自分たちで作っていける)ことは、大きなよろこびでした。(S.Y)

2018年度卒園保護者

子どもが三年間お世話になったなないろの木こどもえん、人間のねっこがつくられる大事な時期に大切な力を沢山頂きました。

定員17名の保育施設だったことが、この園に通うことを決めた理由の一つです。幼児期の子どもが集団活動の中で安心してさまざまな体験ができる人数が20名前後であり、そんな小さな集団生活からうまれる社会性を大切にして日々の保育に携わっている保育者がいることを入園説明会に参加した際に伺い、この園に通いたいと強く思いました。

実際、三年間通ってみると、なないろの木こどもえんに通う子どもの存在が家族の日々の暮らし方をより充実したものへと変えてくれ、親として多くの学びがあったと感じています。なないろの木こどもえんで過ごした日々は、子どもの中で原風景となり今も心の安定へと繋がっており、学童期の心の支えになっています。これから先も不安に思うことや困難なことに出会っても、なないろの木こどもえんでの原体験に助けられることと思います。将来、自己の強みや役割に気付き、いきいきと生きる力へとつながる土台をいただき感謝しています。

お子さんを保育をする場所としてのみならずかけがえのない幼児期の子どもの成長に寄り添いたいと願うお父さんやお母さんになないろの木こどもえんをおすすめします。(S.U)

2017年度卒園保護者

こどもが三年間、楽しい楽しいと通い続けた「なないろの木こどもえん」。小学校入学までのだいじな時期を、なないろさんで過ごせてよかったとしみじみ思います。軽い気持ちで出席した入園説明会で宮原貴子先生に惚れこみ、芦屋から引っ越してきたのです。それだけの価値はありました。もうお釣りがくるぐらいに。

たとえば、給食を作るときは、アシスタントの先生が、子どもたちが遊んでいるそばで野菜を切ったり、ごまをすってごま塩をつくったり。もちろん子どもたちもお手伝い。そんなふうにできあがったお昼ご飯のおいしいこと!それが毎日の給食で、嫌いな野菜でも、「なないろさんのはおいしいの」とおかわりまでしていた我が娘です。

また、毎週月曜には先生と一緒に園児がパンを作ります。梅干しも漬け、お味噌も大豆をつぶすところからみんなでやって仕込むのです。正直、親より娘のほうが詳しい!

年齢別のクラスではなく、園児全員で過ごすため、大きなひとつの家族のようです。子ども同士はもちろん、親同士も助け合い、気遣い合って過ごした三年間のおかげで、いまでもその信頼感のもとで子どもを預け合って、本当に助かっています。

なないろさんで育った娘は劣等感もなく、のびのび自分を表現し、まわりに対する信頼感と安定感にあふれています。ありがたい園だったなぁと、心から思っています。本当にありがとうございました。(Y.H)

2016年度、2012年度、2009年度卒園保護者

なないろの木こどもえんに入園して良かったこと、それは一言では語りつくせません。

毎日のリズム、一週間のリズム、季節のリズムを大切にしているご飯とお味噌汁とお野菜の素朴な給食。パン作りや手仕事、オイリュトミーやぬらし絵、ライゲンの時間。手作りのシンプルで温かみのあるおもちゃ。晴れの日のお外遊び、雨の日のお散歩、たまに山登り。お帰りの前に先生が語ってくださる素話。  

子ども達のために何が大切だろう、といつも考えてくださる先生方。幼稚園を支え、運営する保護者。運営をサポート、協力してくれる人達。

どちらかといえば地味だけど、子ども達にとって大切なものがいっぱい詰まった宝石箱みたいな場所。そんな幼稚園だなぁ、と思うのです(N.M)

2012年度卒園保護者

[なないろ時間]なないろでのあたたかな3年間を経て、息子は公立の小中に進みました。この春中学2年生になりますが、これまで私は一度も「勉強しなさい」と言ったことがありません。特に何かに秀でている訳ではないのですが、自分から机に向かうことができる姿勢は、我が子ながら素晴らしいと思っています。また、日々の何気ない会話の中で、はっきりとした自分の意見を持っていたり、独特の発想力があるところが特徴的で、ますます一緒に話すのが面白くなってきました。

直接目に見えてわかる訳ではないのですが、日々のリズムを大切に、子どもであることをしっかりと守って頂けた、なないろさんでの3年間がベースにあるから、意志のちからが少しずつ育ってきたのかも知れないな、と思ったりもしています。

何も問題のない人生などなく、人は常に何かの課題を持っているものです。基盤さえしっかりできていれば、自分なりの方法で課題を乗り越えながら生きていくことができるのではないでしょうか。その基盤は、幼い時期にちいさな集団の中で、確かな安心感に包まれてこそ育まれるのではないかなと改めて感じています。

「なないろさんで何か覚えてることある?」と聞いてみると「全然ない」なんて、本人は素っ気ない、まさに中学生男子!ですが、無意識のなかに育まれたものを大切に感じ取りながら、これからも、試行錯誤しつつ〝見守る子育て〟をしていけたらと思っています。(H.F)

2011年度卒園保護者

私にとって、我が子の小学校入学前というのはぼんやりしているのに長い期間。7年足らずとは思えないほど。成長が他の子達よりゆっくりしている双子の子ども達はそのような長い2年間をなないろさんで過ごしました。

彼女たちが幼稚園の思い出を語るときは、楽しかったことは、ぼんやりしています。「幼稚園はたのしかったなあ。」「またもどりたいなあ。」。一方、いやだったこと・悲しかったことは具体的、鮮明に覚えているようです。こどもたちは、どこの世界でも、むき出しの「こども」たちです。ほしいものはほしい。まけたくない。もちろんやさしさももっているのですが、いじわるしたりされたり。いわゆる「マウント」をさかんにするのもこどもです。

幼いこどもの世界というのは、なんと大変なところでしょう。それも確かに人間の基本的な姿で、大事な力を生む基礎となるでしょう。けれど、私は思います。毛皮もなく力も弱いヒトが進化の中で今まで生き残ってきたのは、共生を望む性質を手に入れたからではないでしょうか。他の動物にはないそのような独特のもう一つの本能。共生は共倒れの危険もありますが、みんなで生き残る知恵をうみます。そのような感性が育つためには様々な感受性を手に入れなければならなかったことでしょう。その力は人同士の触れ合いの中で学ぶことにより、美しく磨かれていくのではないでしょうか。

いじわるされた子・いじわるした子をしっかりと受け止め、導いてくださるなないろさんなら、安心して喜びだけでなく嫌な思いもできる。そしてヒトだから得ることのできるこの力を確かに育ててくださいました。こどもが未だに幼稚園での楽しかった思い出だけでなく、悲しかったことを話すのを聞くたび、その後の困難に立ち向かう強さと世界への信頼を確かに育ててくださったと感じております。

双子で成長もゆっくりで様々な困難を持つ子たちでしたが、保護者の皆様も先生方も温かく迎えて下さりました。支えてくださったたくさんの場面に、どれだけ勇気づけられたことでしょう。親と子にとって特別な時期をなないろさんで過ごせたことはいまだに確かな支えとなっております。 本当に幸せなことです。(Y.H)

2006年度卒園保護者

19歳になった娘は、今も時折「かあさんの自転車のうしろに乗ってなないろさんに通ったなぁ」と話します。自転車をこぎながら歌った歌を、娘はよく覚えています。幼稚園時代を楽しそうに語ります。

当時は「こども園なないろ」という名前でした。園のある場所も変わりました。けれど、変わらないことがあります。それは子どもたちが「幸せな時間を過ごせる場所」であると確信していられること。「幸せな子ども時代」を送ってほしいと願い、娘を入園させた「こども園なないろ」。その願いは確かに叶えられました。

名前が変わっても、場所が変わっても、今も「なないろの木」に通う子どもたちの「幸せな子ども時代」のために保育者の方々、園に集う方々が丁寧に日々を紡いでいる。「なないろの木」はそんなかけがいのない場所なんだと、感じています。(K.K)