おかえり、桑の実

桑の木 ブログ

なないろの木こどもえんの園舎の改修工事を終えて、この夏で5年が経とうとしている。
改修工事が始まる頃に元気に生まれてきた男の子が入園して2年目を迎え、この春年中さんになった。
早いものだ。毎日、元気に、この園舎で過ごしている。

なないろの木こどもえんの玄関の脇には桑の木がある。
その桑の木は毎年、毎年、たくさんの桑の実をつけていた。
しっかり熟れた黒い実はとても甘くて、
子どもたちは競い合って桑の実を摘んでは頬張っていた。

でも、5年前の改修工事で、その桑の木の上に大きな立派な庇ができた。もちろん、庇を作るために桑の木は剪定して短くしてしまった。ごめんなさい、桑の木さん。すっかり小さくなった桑の木は、もう実をつけることはないかもしれないと思った。お日様も当たらなくなり、次の年は全く実をつけなかった。

その次の年もやっぱり実はつかなかった。
しかし、桑の木は、徐々に徐々にその枝を伸ばしていった。
そしてついに、桑の木は庇の外まで枝を伸ばした。それから急に勢いがついた。
お日様の光を受けて、緑濃い艶々した葉っぱがたくさん茂り始めた。

一昨年、ついに少しだけ実をつけた。
桑の木の生命力の強さを感じた。
そして昨年、とうとうたくさんの桑の実が実った。
子どもたちとやっと桑の実を食べることができた。

そして今年は…と言うと、さらにたくさんの黒々とした実がついた。
子どもたちは大きな庇の下のポーチに並んで座り、
手でお皿を作って、桑の実を待っている。
保育者が子どもたちの手に一つずつ桑の実を配る。
みんな、パクッと桑の実を口に入れる。
「あっま〜!」といううれしそうな声が聞こえる。おいしいね、うれしいね。

桑の木さん、ありがとう。
おかえり、桑の実。
来年もよろしくね。

桑の木

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